コンビニのフランチャイズを利用して起業したいけれど、どの企業が良いかわからないとお悩みの方も多いのではないでしょうか。
コンビニのフランチャイズで起業をすれば、店舗運営のサポートやブランド力を活用して起業を成功するチャンスをつかめます。ただし、24時間営業であること、高いロイヤリティを支払うことなど、経営の自由度の低さがあることに注意が必要です。
この記事では、フランチャイズ起業を検討している人向けに、コンビニ各社の見極め方やコンビニオーナーになるのがやばいと言われている理由を解説します。自分でお店をもちたいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
こちらの記事 解説内容
コンビニのフランチャイズとは?仕組みを紹介
コンビニのフランチャイズとは、大手コンビニチェーンが個人や法人に対して店舗運営の権利を提供するビジネスモデルです。
「自分のお店をもちたい」「起業したい」という方がフランチャイズ契約を結ぶと、契約したコンビニのブランド名や商品、システム、ノウハウを利用して店舗を運営できます。またフランチャイズ本社は、店舗運営に必要なサポートやトレーニングを提供し、商品の供給やマーケティング戦略も担当してくれるのが魅力です。
フランチャイズのオーナーはリスクを分散しながら安定した収益を期待できるため、自分で新しくお店を起業するよりも、経営を軌道に乗せやすい働き方だと言えます。
ただしコンビニは24時間営業や厳しい経営管理が求められるのがネックです。オーナーには高い責任感と労力が必要なほか、初期投資として加盟金や保証金を支払い、売上の一部をロイヤリティとして本社に支払わなくてはなりません。
フランチャイズの仕組みについて詳しく知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。
コンビニフランチャイズはどこがいい?平均年収も紹介
日本国内にある大手コンビニ5社をピックアップし、各社の平均年収をまとめました。コンビニ起業を検討している方は参考にしてください。
セブンイレブン
セブンイレブンで起業した場合、平均年収は約736万円と推定されており、立地条件などが揃っていると年収1,000万円を超えるオーナーもいます。
平均年収 | 約763~1,000万円 |
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開業資金 | 約225~307万円(契約タイプにより金額は異なる) |
本部負担 | 光熱費 80% 廃棄ロス 15% |
ロイヤリティ | 56%~76%(契約タイプ・売上によって異なる) |
「1,000万近い収益を目指したい」という方にとって夢のあるコンビニフランチャイズです。
ファミリーマート
ファミリーマートは、セブンイレブンと比較した場合、年収が約100万円ほど低く設定されています。
平均年収 | 約618~667万円 |
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開業資金 | 約300万円(契約タイプにより金額は異なる) |
本部負担 | 光熱費 90% 廃棄ロス 一部と表示 |
ロイヤリティ | 49%~59%(契約タイプ・売上によって異なる) |
またファミリーマートはフランチャイズ店舗数は932店舗(2024年5月時点)で全体の約5.7%を占めています。直営店は15,338店舗となり大半が直営店という状況です。
フランチャイズ店舗が他社よりも少ないため、フランチャイズ店舗店同士の競争率が低く、好立地さえ確保できれば安定した収益を確保できます。
ローソン
ローソンで起業した場合、立地条件や運営条件によっては年収1,000万円を超えるオーナーがいる一方で、年収300万円まで下がってしまうオーナーも少なくありません。
平均年収 | 約300~700万円 |
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開業資金 | 約310万円(契約タイプにより金額は異なる) |
本部負担 | 光熱費 50%(上限25万円) 廃棄ロス 一部と表示 |
ロイヤリティ | 45%~70%(契約タイプ・売上によって異なる) |
また、ローソンでは加盟金を全額免除する制度があることから、続々と加盟店が増え続けています。「コンビニで起業したいけれど、なるべく開業資金を抑えたい」という方は、ローソンでフランチャイズの加入を検討してみてはいかがでしょうか。
ミニストップ
ミニストップはフランチャイズ店舗に関する情報は公式HPで公開していません。2022年度のデータを元に推定される年収を紹介します。
平均年収 | 約558~613万円(推定) |
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開業資金 | 約250万円(契約タイプにより金額は異なる) |
本部負担 | 光熱費 50% 廃棄ロス 商品原価40%以上の30% |
ロイヤリティ | 33%~36%(契約タイプ・売上によって異なる) |
ミニストップのフランチャイズに関する詳しい情報はフランチャイズ説明会に参加して取得するのが良いでしょう。
デイリーヤマザキ
デイリーヤマザキの平均年収は公表されていないため、一般的なコンビニフランチャイズの平均年収を元に算出しました。
平均年収 | 約500~700万円(推定) |
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開業資金 | 約250~380万円(契約タイプにより金額は異なる) |
本部負担 | 光熱費 50% 廃棄ロス 商品原価40%以上の30% |
ロイヤリティ | 33%~58%(契約タイプ・売上によって異なる) |
デイリーヤマザキの開業資金が高額な理由は、店内でパンを焼く「デイリーホット」システムの導入が必要だからです。専用の厨房設備や内装が必要となり、初期投資が高くなります。
ただし、デイリーヤマザキでは働きながらパン製造を学べるメリットがあり「手に職をつけたい」という方におすすめのコンビニフランチャイズです。
コンビニフランチャイズに加入する3つのメリット
なぜコンビニフランチャイズに加入した方がいいのかわからない方に向けて、コンビニフランチャイズに加盟する3つのメリットを紹介します。
ネームバリューが手に入る
コンビニフランチャイズに加入すると、大手コンビニチェーンの店舗を運営しているというネームバリューが手に入り、短期間で顧客や信頼を獲得できるのがメリットです。
「スピーディーに稼げるようになりたい」「安定的に収益を出せる仕事をしたい」という方は、コンビニフランチャイズに加入してみてはいかがでしょうか。
安定した利益を得やすい
コンビニフランチャイズに加入すると、本社のサポートで安定した収益を得やすくなります。本社が提供するサポートは次の通りです。
- 広告(チラシ)の配布
- CM(コマーシャル)の放送
- 経営の指導
フランチャイズ本社が新商品の販売・新サービスを開始すると、同時にメディアを利用したPRをしてくれるため、フランチャイズオーナーは広告費をかけることなく集客および収益を安定しやすくなります。
また、コンビニは日常生活に欠かせない存在であり24時間営業しているため、一定の集客を期待できるのもメリットです。コンビニフランチャイズのPR活動やサポートが魅力的に感じる方は、コンビニフランチャイズの加入を前向きに検討してもいいかもしれません。
蓄積されたノウハウを獲得できる
フランチャイズ店舗のオーナーは、本社の研修や専任アドバイザーによって蓄積されたノウハウを獲得できます。
コンビニフランチャイズに加盟することで、長年蓄積された経営の知識・技術を学べるほか、専任アドバイザーから運営をサポートしてもらえるのがメリットです。
本社のノウハウは実際に成功を納めた有益な例であり、経営を軌道にのせる近道になります。「経営に自信がない」「経営の経験がない」という方は、経営戦略のサポートを受けられるコンビニフランチャイズの加入を検討してみてはいかがでしょうか。
コンビニフランチャイズに加盟する3つのデメリット
コンビニフランチャイズへ加盟には、充実したサポートを受けられるメリットがある一方で、店舗経営における制限やルールが複数設けられています。
納得したうえで開業するためにも、3つのデメリットを考慮してコンビニフランチャイズへの加盟を検討してみてください。
高額なロイヤリティを納めなければならない
コンビニのフランチャイズに加盟すると、本社に毎月ロイヤリティを納めなければなりません。
コンビニ業界では粗利分配方式が採用されており、売上総利益に対するロイヤリティ率が約30〜70%と設定されています。コンビニ業界のロイヤリティはほかの業界と比べて高額であるため、ロイヤリティ率をネックに感じるかもしれません。
収益化が見込まれないとと閉店のリスクがある
コンビニは収益が低迷すると、以下に示すロイヤリティや廃棄ロスといった影響で、閉店に追い込まれるリスクがあります。
フランチャイズ加盟時の契約 | リスク |
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ロイヤリティの支払い | 収益が低迷しても本社にロイヤリティを支払わなくてはならない |
廃棄ロス | 収益が低迷しても、商品は仕入れなくてはならない 売れ残りは加盟店の負担となる |
コンビニオーナーは、フランチャイズ加盟時の契約により、収益が下がっていても、ロイヤリティや廃棄ロスの制限やルールを守り続けなければなりません。
収益が低迷すると閉店に追い込まれやすくなるほか、契約内容は途中で変更できないので、事前に契約書を読み込み、オーナーにとってリスクの高い契約内容になっていないか確認することが大切です。
24時間営業のため生活リズムが崩れやすい
コンビニとフランチャイズ契約をすると、24時間営業の影響で、生活リズムが不安定化するおそれがあります。
例えば、十分な人材が確保できない場合には、オーナー自らがシフトの穴を埋めるため働き続けなければならず、生活リズムそして体調を崩してしまうかもしれません。
近年では慢性的な人材不足問題が起きていることから「生活リズムを崩したくない」という方は、コンビニ経営を安定化させるために人材確保に力を入れることが大切です。
「コンビニ経営だけはするな」と言われる理由とは?やばいって本当?
よく「コンビニ経営はやばい」と言われることがあります。なぜコンビニ経営についてマイナスのイメージがついているのか、以下に詳しい理由をまとめました。
- 初期投資額が高い(300~500万円は必要)
- ロイヤリティが高額
- 24時間営業の対応
- 競争率が高い
とくにコンビニは日本全国のいたるところに密集していることから、競争率の高さ、そして収益化が低迷した場合のロイヤリティに苦しめられることもあるようです。
ただ、やばいと言われているコンビニ経営ですが、適切な経営戦略を立てれば年収1,000万円も難しくありません。ネットの情報だけを鵜呑みにせず、コンビニチェーンのフランチャイズ説明会などに参加し、コンビニ経営について情報を集めることが大事です。
安定的に利益を獲得したいならほかのフランチャイズも検討しよう
コンビニ経営をリスキーに感じているなら、ほかのフランチャイズへの加盟も選択肢に加えてください。参考として、コンビニ以外のフランチャイズビジネスを下表にまとめました。
業界 | 業種 |
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サービス | ハウスクリーニング フィットネス関連 学習塾 美容サロン |
不動産 | 賃貸仲介 不動産管理 |
飲食 | ファーストフード 居酒屋 ラーメン店 |
福祉 | 訪問介護 就労継続支援B型事業所 |
もし福祉業界に興味があり、安定した収益を獲得したい方は、就労継続支援B型事業所がおすすめです。
就労継続支援B型事業所とは、障がいや難病のある方が一般企業での雇用が難しい場合に、就労の機会や生産活動の場を提供する施設です。現在、高齢化社会に伴い障がいや病気を抱えた方が増え、就労継続支援B型事業所が高まっています。
フランチャイズを募集している企業も多く、利用希望者も増加傾向にあり人材確保も難しくないほか、スムーズに安定した収益を生み出せるのもメリットです。
安定的に利益を獲得したい方は、将来性のある就労継続支援B型事務業所のフランチャイズ加盟を検討してみてください。